絵は心をうつす鏡
色彩感覚が豊かな子がいます。バランスがとてもいい子がいます。絵が描けない子がいます。見たものを忠実に再現することしかできない子がいます。色が着けられない子がいます。それらの理由は、右脳と左脳のバランスであったり、生活環境であったり、愛情不足であったり、心の病であったり、発達障害であったりいろいろです。
長年自分自身が制作活動をし、また絵画を教えるという仕事をしていると、その子が創作する様子や作品を見ているだけで、本人の感情が自分の中に入ってきます。愛情不足、自信がない、両親が先回りしすぎる、頭がいい、将来伸びる・・・。また同時に、だからこそその子に何が必要かということも分かります。
ですから例えば、左脳は強いけれど右脳が弱いと感じた時には、本人がイメージしやすいような声かけをします。一方、想像力は豊かだけれど感性に頼りがちになっている場合は、しっかりとものを見てかたちを捉える練習をすることを勧めます。なぜなら、それをしないといずれ絵が描けなくなってしまうからです。また、愛情不足と感じた時にはまず、コミュニケーションを大切にし、和やかな雰囲気、信頼関係を気づくことを第一とします。
一人ひとり違います。その子の将来を見据え、今何が必要かということを第一に考え、指導をしています。
芸術家にとっても、作品は自分をうつす鏡です。ですから、作品より前に、自分は何者なのかということを繰り返し考えます。
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